函館「食」ニュース
「和創菓ひとひら」吉田さん、全国菓子大博覧会で最高賞を受賞

函館市の和菓子店「和創菓ひとひら」を営む株式会社吉田食品 代表取締役 吉田貴之さんが、2025年5月に北海道旭川市で開催された第28回全国菓子大博覧会・北海道(あさひかわ菓子博2025)にて、工芸菓子部門の最高賞「名誉総裁賞」を受賞しました。
全国菓子大博覧会は、約4~6年に一度開催される国内最大級の菓子イベントです。全国から集めた一般菓子の品評会の他、工芸菓子部門では、技術と創造性などを競います。今回の工芸菓子部門には90点が出品され、そのうち10点が最高賞「名誉総裁賞」に選ばれました。
吉田さんの受賞作「雅(みやび)」は、華やかな花々と神話に登場する鳥「鳳凰(ほうおう)」をモチーフにした大作。すべて和菓子の素材で作られ、繊細で緻密な造形美と表現力が高く評価されました。
吉田さんは函館出身。大学卒業後に上京し、東京の和菓子店で修業を積んだのち、家業である吉田食品に入社。現在は代表取締役として吉田食品を経営し、「和創菓ひとひら」を運営しながら、全国各地で開かれる工芸菓子の大会にも作品を出品し、和菓子の魅力を発信し続けています。
一級和菓子製造技能士の資格を持ち、さらに厚生労働省認定の「和菓子ものづくりマイスター」として、高校や専門学校で後進の指導にもあたるなど、和菓子文化の継承と発展に尽力しています。また、北海道で初となる「選・和菓子職」にも認定されており、その技術力と表現力は全国的にも高く評価されています。
伝統を受け継ぎながら、現代的な感性で和菓子の新しい魅力を発信し続ける吉田さん。函館の和菓子文化を支える職人のひとりとして、これからの活躍にも注目です。