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この街で出会う飲食店、料理人、小売店、食材案内
食の街函館の魅力

豊かな海産物

海に囲まれた街のおいしい恵み

三方を海に囲まれた街

三方を海に囲まれた函館の図

函館市は北海道南西部の渡島半島に位置しています。半島地形ゆえに、函館市および周辺市町はどこも間近に海を有する地域です。なかでも函館市は、2004(平成16)年、近隣の戸井町、恵山町、椴法華村、南茅部町と市町村合併し、まさに三方を海に囲まれた街になりました。この周辺の海は、ちょうど暖流と寒流が交わり、四季折々に様々な魚種が集まる格好の漁場。新鮮なイカはもとより、タラやホッケ、カレイ類、ウニやアワビまた日本一の品質と評される南茅部地区の真昆布や、品質の良さから築地で高値がつく「戸井マグロ」など、豊富な海産物に恵まれています。
獲れた海産物の多くは、早朝、函館市水産物地方卸売市場に並び、セリにかけられます。競り落とされてすぐに首都圏の料理店などに空輸され、その日のうちに提供されるものもあり、函館産ブランドの人気の高さがうかがえます。

木直漁港(函館市南茅部地区)の写真

真昆布漁が盛んな木直漁港(函館市南茅部地区)。

6月初頭にスルメイカ漁が解禁になると、水平線近くに漁火(いさりび)が並び、12月頃まで続きます。イカ漁船の集魚灯はとても明るい光を放ち、街からもその輝きを見ることができます。

漁火(いさりび)の写真
天然真昆布漁の写真

7月は天然真昆布漁が行われ、早朝、前浜に向けて一斉に舟が出ていきます。箱眼鏡で水中をのぞきながら、長い棒を使って昆布をねじ切り、舟へと引き揚げます。

函館市水産物地方卸売市場には、毎朝、豊富な魚種が並び、活気あふれるセリが行われます。

函館市水産物地方卸売市場のセリの写真

産業や研究面でも、海との密接な関わり

函館市は長らく北洋漁業で繁栄してきました。大正時代に「日魯漁業」(マルハニチロの前身会社のひとつ)が設立された場所でもあり、かつてはここを拠点にサケやマス、カニなどを求めていくつも大きな船団が北の海へと出港しました。また、戦後には近海で獲れるイカをスルメ(干したイカ)に加工し、アジア向けに輸出したことで水産加工業が盛んになりました。
その一方で、函館やその周辺には、北海道大学大学院水産学部をはじめ、水産資源や漁業に関する教育・研究機関なども多く、アカデミックな視点からも海と密接な関わりを持ちながら発展を遂げてきました。現在、函館市は、「国際水産・海洋都市構想」を掲げ、学術研究拠点都市の形成を目指しています。2014(平成26)年開設の函館市国際水産・海洋総合研究センターは、一般にも公開されており、研究や技術開発の一端に触れることができます。

函館市国際水産・海洋総合研究センターの写真

函館市国際水産・海洋総合研究センターは、この分野の研究開発の拠点。函館港を望む展望ロビーを備え、イベント開催時には子ども連れでも楽しめるタッチプールで海の生物と触れ合うことができます。

鮮度保持によるブランド力向上

鮮度保持の技術開発による、ブランド力向上の取り組みも見逃せません。民間企業と北海道立工業技術センターが連携し、活〆スルメイカの高鮮度化を実現し、個別梱包でも容易に出荷できるようになりました。
船上での活〆と完全放血、さらに身焼けを起こさないよう神経抜きを施したブリは臭みが無く、日持ちすることから近年は市場でも高評価。漁業者のこうした取り組みにも注目が集まります。

函館市戸井地区の下山明仁さんによる「船上活〆神経抜き」のブリは、鮮度の良さに加え良好に熟成が進むと、プロの料理人たちからも評価されています。

「船上活〆神経抜き」をされるブリの写真