自然の恵み旬食材
海の恵み、山の恵み、そして畑の恵みが盛りだくさん。
生産者の顔が見える餌で育てた純国産鶏の自然卵
鶏卵「おのたま」
純国産品種の鶏「岡崎おうはん」を平飼いで育てる「小野養鶏場」。2020年に営業を開始した比較的新しい養鶏場ながら、自然素材の餌だけで育てた鶏から生まれる自然卵「おのたま」のおいしさが評判を呼び、地元のみならず遠隔地の消費者や有名百貨店のバイヤー、各種メディアなどからも注目を集めています。
道南産の天然の餌で育てた純国産鶏
もともと教員だった小野養鶏場代表の小野さんが養鶏の世界に足を踏み入れたきっかけは、網走市に赴任していた時にたまたまスーパーで平飼い卵を買ったこと。「初めて食べた平飼い卵は臭みがなく、コクと旨みだけが残ることに衝撃を受けました」。卵に添えられた「自前もしくは道産の餌を与えています」との生産者のメッセージを読み、「普段食べている卵を産んだ鶏は、何を食べているのだろう」と疑問を持ちました。
餌や飼育法で卵の味が変わることに興味を持った小野さんはその後、数年をかけて全国各地の養鶏場に足を運び、独自の研究を始めることに。養鶏場を開く1年前には「岡崎おうはん」を試験的に5羽飼育し、鶏が何を食べるのかを調査しました。
こうしてたどり着いた結論は、「鶏が本来食べたい餌を与えること」。防腐剤・抗菌剤・添加物などを含む可能性のある餌や配合飼料を使わず、近隣の農家から分けてもらった季節の野菜や果物、米・麦・大豆などの農産物を中心に、肉類や乳製品、未利用魚、卵の殻の元になる貝殻など、北海道産(ない場合は国産)の餌を与えています。「鶏は本来雑食で、好みのものを鶏自身が教えてくれます」。卵の大半は水分であることから水にもこだわり、横津岳の湧き水だけを与えています。
そんなこだわりの食材を食べて育った鶏から産まれた卵は「黄身が濃厚で雑味がなく、白身も臭みがなくて味わいがある」と小野さん。「もちろん生でもおいしいですが、目玉焼きやゆで卵、スクランブルエッグなど加熱調理するシンプルな料理は、より卵のおいしさがわかります」と話します。
鶏本来の習性に近付ける飼い方へのこだわり
鶏をケージに閉じ込めない「平飼い」を採用している小野養鶏場では、約600羽の鶏がビニールハウスの鶏舎とネットで囲った屋外の放し飼いスペースを自由に行き来しながら土の上で暮らしています。小野さんによれば、「鶏は常に歩き回り、起きている間じゅう土をつついたり何かを食べたりしているのが本来の姿」。さまざまな場所に置かれた餌を鶏たちが好きな時に食べ、好きな場所で休みます。健康的に暮らしているためストレスがなく、病気にもかかりにくいため薬剤やワクチンを与える必要もないといいます。
養鶏場を訪れた人が一様に驚くのは、いやな匂いがないこと。「自然の餌を食べているので体臭がなく、フンも土の上ですぐに分解されるので清潔です」と小野さん。鶏が食べ残した野菜などは土にすき込み、肥料とします。「鶏は地面をついばむ習性があり、土も食べています。だから、土づくりも大切なんです」と話します。
生産者から
小野 美孝さん
小野養鶏場 代表
国内で流通している鶏卵のうち、平飼いや放し飼いスペースを設けている養鶏場で産まれた卵は1%ほどしかなく、99%近くは少ないスペースで効率的に卵を生産するのに適した「ケージ飼い」で産まれた卵です。一方、ヨーロッパでは「鶏にストレスを与え、けがや病気のリスクを高める」との考えから、ケージ飼いを禁止する国が増えています。
鶏は人間のために卵を産むわけではなく、人間が卵をいただく立場。そう考え、鶏をなるべく本来の暮らしに戻してみたら、おいしい卵が産まれるようになりました。地元の餌にこだわるだけでなく、鶏も日本で開発された純国産品種を選びました。国が定めた平飼いの基準は「1坪10羽以下」ですが、ここでは6~7羽にとどめ、広々としたスペースでのびのびと育てています。
おのたまについて
- 産地
- 七飯町
- 購入方法
- 直売店「里山楽房」と通販
- 生産者
- 小野養鶏場
- 直営店所在地
- 北海道亀田郡七飯町鳴川4丁目3-8
- 営業時間
- 金・土・日曜と祝日の11:00~16:00
- 電話番号
- 080-1977-9972
- 関連リンク
- 小野養鶏場