自然の恵み旬食材
海の恵み、山の恵み、そして畑の恵みが盛りだくさん。
甘味とやわらかな食感、みずみずしさが特徴のブランド大根
雪の下だいこん
農家の知恵が生んだ良質の野菜
函館市から近隣の七飯町、北斗市に広がる函館平野は、野菜の一大産地。古くから大根の路地栽培が盛んに行われてきました。こうしたなか、函館市亀田地区の農家で30年以上前から続いているのが、大根の越冬貯蔵です。地物野菜が少なくなる12月から3月に出荷できるように考えられた、農家の知恵といえるもの。お盆の頃に種をまき、晩秋に収穫した後すぐ、畑で3段ほどに積み上げ、雨や雪に濡れないようにビニールをかけてから、土で覆います。やがてその上に雪が積もり、大根は掘り出される日を待ちます。農家の長年の経験をもとに、温度や積雪量などから時期を判断し、12月以降に雪の中から掘り出し、丁寧に洗浄、選別して出荷されます。
「雪の下だいこん」の名でブランド化
函館は積雪量が比較的少なく、掘り出しが容易。また気温が下がりすぎて凍ってしまうこともなく、越冬貯蔵に適しています。雪の下で貯蔵することで、甘味がぐっと増して辛味が和らぐとともに、食感がやわらかになります。生のままかじると梨にも似たシャキシャキの食感で、みずみずしさが保たれていることがわかります。生で食べるのもおすすめです。2003年に、函館市亀田農協が「雪の下だいこん」の名でブランド化しました。現在、おもに札幌中央卸売市場へと出荷され、大都市圏のスーパーなどで好評を得ています。
生産者から
菅原孝二さん
函館市石川町 農業
函館市亀田地区で4代続く農家です。このあたりは昔から大根の栽培が盛んで、春大根、夏大根に加えて「雪の下だいこん」を作っています。掘った大根をもう一度土に埋め、それをさらに掘り起こすわけですから手間がかかります。その手間を惜しまずに作るので、「雪の下だいこん」には他の季節の大根とは違ったおいしさがあります。大根おろしよし、また出汁をよく吸うのでおでんにしてもおいしいものです。