函館で活躍する
料理人と函館料理
地元の食材を生かした渾身の一皿をご紹介します。
井田 朋明いだ ともあき
日本料理
老舗温泉旅館を支える日本料理
井田料理長は道南の離島、奥尻島の出身。18歳まで奥尻町で暮らし、高校卒業後、神奈川県湯河原町の温泉旅館で、日本料理の道に入りました。その後、東京の老舗料理店などで経験を積み、函館へ。湯の川温泉の老舗旅館「一乃松」での勤務は25年となり、料理長を務めます。冗談交じりの会話で仕事場の雰囲気を和ませる人柄。客前に出ることはほとんどない、という井田料理長ですが、長きにわたり老舗旅館の板場を守ってきた立役者です。料理では、名の知れたブランド食材だからといって持ち上げることはせず、どんな食材でも生産者の思いを汲みながら、その良さを精一杯引き出すのが信条、と熱を込めて語ります。函館割烹調理師会副会長。2017年函館市技能功労者表彰受賞。
真鱈の蕪(かぶら)蒸し
冬の味覚、真ダラの白身とタチ(白子)の旨みを楽しむ一皿
函館をはじめとする道南で冬の味覚といえば、そのひとつに近海で獲れる真ダラが挙げられます。淡白でクセのない白身と、函館周辺では「タチ」と呼ばれ、クリーミーで濃厚な味わいをもつ白子(精巣)。この2つを使った和の蒸しものを、だしが効いた熱々のあんかけで味わいます。昆布締めした白身に載るのは、生で裏漉しした白子とカブのおろしを和えて蒸したもの。ニンジン、ぎんなん、百合根、しめじ、カブの葉などを載せ、さらに蒸し上げます。白身は、旨みをまとってほろりと軟らかに。真ダラの味わいをダブルで楽しめる美しい一皿です。
提供時期:11月~2月(入荷状況による)、コース料理で
2018年10月取材
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もう一皿
道南産あわびとウニの忍び揚げ
道南の日本海側、松前町や奥尻島はあわびの産地。またウニは、道南各地で良質のものが獲れ、全国の市場へと届けられます。この道南産のあわびとウニをひとくちで贅沢に味わえる一品です。あわびの身に包丁を入れてウニを挟み、衣をまとわせ揚げたもの。旨みを湛えた柔らかなあわびを噛みしめると、ウニ独特の甘い風味が口いっぱいにひろがります。
提供時期:通年、コース料理で
2018年10月取材