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函館「食」ニュース

木村滉太さん、郷土料理コンクールで函館市長賞

木村滉太さん、郷土料理コンクールで函館市長賞

「郷土料理コンクール」は、日本中国料理協会函館支部、海藻活用研究会が主催。食の地産地消の推進と地域の食文化の発展と若手料理人の技術、知識の向上を目的に、毎年11月に開催されています。函館市内の40歳未満の中国料理従事者、6名が腕を競い合いました。 2023年の指定食材は気候変動により天然の漁獲量が年々減っている「函館真昆布」と輸出停止により在庫が深刻化している「ほたて」。 見事、函館市長賞に輝いたのは、「函館国際ホテル」の木村滉太(きむらこうた)さん。木村さんは函館市出身の23歳、入社3年目。中国料理部門として木村史能総料理長の下、腕を磨いてきました。 「一昨年、昨年と入賞はしていたものの、函館市長賞は初めて。とても嬉しいです。」と、喜びを語ってくれました。 函館市長賞受賞作品「彩鮮扇貝海帯併盤」 ほたてと昆布の旨みを最大限に生かし、秋らしさを意識した色合いの一皿。「ほたてと函館真昆布は普段から使用する頻度の高い食材です。手前のパン粉は砂浜に、そして続くようなイメージで貝に見立てた盛り付けにしました。」と木村さん。 【2023年 郷土料理コンクール 入賞者】函館市長賞 木村滉太さん日本中国料理協会函館支部長賞 中畑晴斗さん海藻活用研究会会長賞 樋熊崚平さん

厚生労働省「現代の名工」に、木村史能さん選出

厚生労働省「現代の名工」に、木村史能さん選出

厚生労働省による、2023年度の卓越した技能者を表彰する「現代の名工」に、函館国際ホテルの総料理長で中華料理調理人の木村史能(ふみよし)さんが選ばれました。 木村さんは中学生の頃から料理好きで、中学卒業後に1年間調理師学校で学び、函館国際ホテルに就職し中華料理部門に配属になりました。40歳代で中華料理部門の料理長になった木村さん。カゴメ昆布の粘りが強い特性を、片栗粉の代わりにとろみを出すのに使うという新たな調理法を生み出しました。 優れた中国料理の技法と薬膳料理の知識を生かし、冷菜・蒸し物・揚げ物・煮物など新たな料理を開発し、レシピの幅を広げ、ガゴメ昆布や未利用海藻の消費拡大にも貢献しているそうです。朝食で提供されるホテル名物の「薬膳湯豆腐」は健康にも良いと人気メニューの1つです。 2011年にはホテルの料理部門を統括する総料理長に就任し、腕をふるう傍ら、調理師養成施設や高等学校での調理実習や市民向けセミナーの講師なども長く続けており、その技術の継承と食材の地産地消、食文化の向上に尽力しています。

黒滝空登さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

黒滝空登さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

道南の若手料理人を対象とした料理コンクールが12月8日に開催され、函館国際ホテルの黒滝空登(くうと)さんが最優秀賞の函館市長賞を受賞しました。 黒滝さんは函館近郊・森町出身の21歳。高校在学中、調理実習の外部講師を務める木村史能さん(函館国際ホテル総料理長)の授業を受けて感銘を受け、料理の道に進もうと決意。卒業後は同ホテルに入社し、中華部門で腕を振るっています。 コンクールへの挑戦3年目でつかんだ最高賞受賞に「コンクール当日はギリギリまで悩んでいたので、まさか市長賞をいただけるとは」と喜びと驚きを隠せない様子。「たくさんの方にアドバイスをもらったので、少しは恩返しができたと思う。今後もこういう機会に積極的に参加し、それをモチベーションにしながら普段の仕事でもお客さんに喜んでもらえる料理を作っていきたい」と抱負を語ってくれました。 木村総料理長も「コンクールは、日々の仕事とは違う視点や発想が必要。空登君はそのコツをつかみ、前回の経験に新たな技術を着実に積み上げている。料理に真剣に取り組む普段からの姿勢が、今回の成果に結び付いたと思う」と部下の成長を喜んでいます。 このコンクールは例年、「郷土料理発表会」の一部として実施され、函館地域の西洋料理と中国料理の若手料理人が地場食材を用いて腕を競います。今回は函館産ブリと奥尻産ホソメ昆布を使う料理がテーマとなり、中国料理部門に7人がエントリーしました。 黒滝さんの受賞作は「3種類の色鮮やかなブリとホソメ昆布の料理」。衣にホソメ昆布を使った「ブリのスーザー(中華風天ぷら)」、ブリのすり身を豚の網脂で巻いた「ブリの巻き揚げ」、ブリのすり身を湯葉ホソメ昆布で巻いた蒸し物の3品を美しく盛り付けました。 経験のない状態から料理の世界に飛び込んで3年目になる黒滝さん。普段は宴会用のデザート作りをおもに担当するほか、レストラン営業中はオーダーに応じて調理を担当しています。 函館国際ホテル アゼリア 所在地 函館市大手町5-10 電話番号 0138-23-8755 営業時間 6:30~10:00(LO9:30)、11:30~15:00(LO14:30)、17:00~21:00(LO20:30) 定休日 なし 公式HP 函館国際ホテル

日本調理技能コンクール 2021年の函館市長賞は菊池隆大さん

日本調理技能コンクール 2021年の函館市長賞は菊池隆大さん

函館割烹調理師会が和食料理人の調理技術向上などを目的に毎年実施している「日本調理技能コンクール」。今年は11月1日に審査が行われ、各賞が決まりました。8日には応募作の盛り付け写真パネルが函館市役所1階市民ホールに展示され、市民にお披露目されました。 本年は12名の応募の中から「炭火割烹 菊川」の花板・菊池隆大さんが、最優秀賞の「函館市長賞」に選出されました。 今回のテーマは、コロナ収束後に観光客向けに供することを想定した「ランチ御膳」。3,000円で実際に提供可能な料理とし、ブリ、サンマ、ゆり根の3つの食材を必ず用いることが条件とされました。 菊池さんは、ブリは道南生まれの銘柄米「ふっくりんこ」と組み合わせて揚げ物に、サンマは年輪焼きにし、八寸のなかの一品に盛り込みました。ゆり根は地元特産のタラの白子やきのこ類と組み合わせ、さらに地酒の酒粕を用いたグラタンにして出品。「課題素材だけでなく、地元の食材によりこだわった。地域のことをより深く理解し、良い料理を作りたい」と語ります。 菊池さんの経歴は「料理人名鑑」をご参照ください。 函館市長賞受賞作「美食のまち函館」菊池隆大(提供:函館割烹調理師会)   各賞の受賞者は下記のとおりです。(敬称略) ■ 函館市長賞 菊池隆大(炭火割烹 菊川) ■ 函館割烹調理師会会長賞 佐藤 祐平(うにむらかみ 函館駅前店) ■ 北海道全調理師会函館支部支部長賞 三田 佑弥(炭火割烹 菊川) ■ 北海道日本調理技能士会会長賞 古寺 健(うにむらかみ 本店) ■ 函館湯の川温泉旅館協同組合理事長賞 岩館 昌人(旅館一乃松)   例年は会場で盛り付けし試食の審査を行いますが、昨年からはコロナ感染防止のため、盛り付けは写真による審査となりました。(提供:函館割烹調理師会) 「函館市長賞」受賞の菊池隆大さん(炭火割烹 菊川)

三田佑弥さん、日本調理技能コンクール(函館割烹調理師会)で金賞

三田佑弥さん、日本調理技能コンクール(函館割烹調理師会)で金賞

和食料理人で組織する函館割烹(かっぽう)調理師会では、若手の調理技術向上などを目的に、毎年、日本調理技能コンクールを開催しています。2020年は6人が応募し、最優秀の金賞には、「炭火割烹 菊川」の三田佑弥さんが選ばれました。 コロナ禍ということもあり、テーマは「健康促進 幕の内弁当」。毎年応募を欠かさない三田さんですが、難しいテーマに戸惑ったそうです。ブリときのこを取り入れるという課題に、「市松ブリチーズ」などを考案。また、七種のきのこの炊き込みご飯を盛り込みました。健康増進を願い、「一陽来復(いちようらいふく)弁当」と名付けた弁当が金賞に輝きました。 三田さんは1993年生まれ。札幌市の高校を卒業後、湯の川温泉のホテルに就職し、料理の道に入りました。旅館で割烹料理などを修業し、2005年「炭火割烹 菊川」の立ち上げに関わり、現在は料理長補佐を務めます。 「料理人であるという軸をしっかりと持ちながら、周辺分野の新しい知識や技能の習得も心がけている」と話す三田さん。唎酒師(ききざけし)、野菜ソムリエ、コムラード・オブ・チーズなどの資格取得にも熱心。また、料理の腕にとどまらず、調理場で使う機器の製作や改良、店での動画撮影も手がけるなど、多才な一面もみせます。 ※日本調理技能コンクールは、例年11月に函館市役所で展示審査が行われますが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、作品の展示は中止となりました。 三田さんの金賞作品「一陽来復弁当」。色合いや素材の重なりなど和食の基本を忠実に守りながら、野菜のいろいろな部分を無駄なく使って、材料費を抑える工夫も。 炭火割烹 菊川 所在地:函館市五稜郭町32-19 久米センタービル1F 電話番号:050-3463-7654 営業時間:月~木 17:30~24:30(LO24:00)金・土 17:30~25:30(LO 25:00) 定休日:日曜日 公式HP:炭火割烹 菊川

五島光さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

五島光さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

函館の若手料理人の登竜門「郷土料理コンクール」(2020年11月4日開催)で、中国料理部門の函館市長賞に輝いたのは、「函館国際ホテル」の五島光(ごしまひかる)さんです。 五島さんは函館市出身の28歳。函館調理師養成専門学校で調理を学び、函館国際ホテルに入社。中華部門で木村史能総料理長の下、腕を磨いてきました。現在は、総料理長を補佐として、ときには現場の指揮を行うことも。函館市長賞は2度目の受賞です。 「2度目の受賞はとてもうれしかった。コンクールを通じて、自分で料理を考えるという経験と工夫を磨いて今後にいかしていきたい。」と、喜びと今後の抱負を語ってくれました。 「郷土料理コンクール」は、全日本司厨士協会函館支部、日本中国料理協会函館支部、海藻活用研究会が主催。食の地産地消の推進と地域の食文化の発展と若手料理人の技術、知識の向上を目的に、毎年11月に開催されています(郷土料理研究会と同時開催)。2020年の出題食材は「ブリと松前産青海苔」で、洋食と中華合わせて13名が腕を競い合いました。   五島さんの作品の「鮮やかな野菜とブリと青のりの料理」。地場の食材と秋の野菜を活用して色鮮やかな仕上がりに。「アーモンドスライスを衣にしてブリにまぶし、松ぼっくりに見立てました。揚げた食感も楽しめる一品です。」と五島さん。 なお、このコンクールの受賞料理は、函館国際ホテル1階レストラン「アゼリア」で今後提供予定です。 函館国際ホテル アゼリア 所在地 函館市大手町5-10 電話番号 0138-23-8755 営業時間 6:30~10:00(LO9:30) 11:30~15:00(LO14:30) 17:00~21:00(LO20:30) 定休日 なし 公式HP 函館国際ホテル

平山桜菜さん、若手料理人のコンクール(洋食料理部門)で函館市長賞

平山桜菜さん、若手料理人のコンクール(洋食料理部門)で函館市長賞

函館の若手料理人の登竜門「郷土料理コンクール」(2020年11月4日開催)で、洋食料理部門の函館市長賞に輝いたのは、函館駅近くのホテル「センチュリーマリーナ函館」の平山桜菜(ひらやま あやな)さんです。 小学4年生から料理が趣味という平山さんは北斗市出身。北海道上磯高等学校を卒業したばかりの社会人1年目です。趣味が高じて、料理の世界に入りました。 普段は、食材加工などで厨房全体の動きをサポートし、センチュリーマリーナ函館のレストランを支えています。今回、趣味をいかせるということと、料理長の勧めもあり、コンクールに出品しました。 「料理長をはじめ、職場の皆様、食材の供給をしてくださる方々の応援のおかげで、くじけることなくコンクールに挑めました。函館市長賞を受賞できたのは、日々の努力の成果だと実感していますが、それは応援してくださった方々の支えがあったからこそできた努力だと思うので本当に感謝しています。今回の受賞の経験と結果を誇りに、これからもセンチュリーマリーナ函館の料理人としてがんばっていきたいと思います。」と、感謝の気持ちと今後の抱負を語ってくれました。 「郷土料理コンクール」は、全日本司厨士協会函館支部、日本中国料理協会函館支部、海藻活用研究会が主催。食の地産地消の推進と地域の食文化の発展と若手料理人の技術、知識の向上を目的に、毎年11月に開催されています(郷土料理研究会と同時開催)。2020年の出題食材は「ブリと松前産青海苔」で、洋食と中華合わせて13名が腕を競い合いました。 平山さんの函館市長賞受賞作品。「薄いジュレを纏ったブリと青海苔のルーレとそのクネル青海苔のソースで」は、函館の海と大地の恵みを感じさせる一皿。「ブリと青海苔の相性を考えて作りました。メインのルーレは、ブリで包んだ具材とジュレとの味のバランスにこだわっています。」と平山さん。   センチュリーマリーナ函館 朝食レストラン『YUUYOO TERRACE HAKODATE』 所在地 函館市大手町22-13 電話番号 0138-23-2121 営業時間 6:30~11:00 定休日 5月・11月に各2日間ずつ休館 公式HP センチュリーマリーナ函館

山本英司さん、郷土料理コンクール(中国料理)で函館市長賞

山本英司さん、郷土料理コンクール(中国料理)で函館市長賞

函館の若手料理人の登竜門「郷土料理コンクール」(2019年11月6日開催)で、中国料理部門の函館市長賞に輝いたのは、函館国際ホテルの山本英司さんです。 山本さんは函館市出身の25歳。函館短期大学付設調理製菓専門学校に入学して料理の世界に入り、恩師が総料理長を務める函館国際ホテルの中国料理部門に加わり、経験は7年目になります。「お客さんと顔を合わせる機会は少ないが、全部食べてくれた皿が戻ってきた時や、サービス担当からお客さんの喜んだ声を聞くとうれしい」と山本さん。今回のコンクールでは、同じ職場の五島光さん(27歳)、山登航太さん(21歳)も、それぞれ日本中国料理協会函館支部支部長賞、海藻活用研究会会長賞を受賞しました。総料理長の木村史能さんは、「ホテルの厨房は、いろいろな素材に触れ、調理法も学ぶことができる『道場』のようなもの。いろいろ試してさらに腕を上げて欲しい」と、若手たちにエールをおくります。3人が所属する函館国際ホテル「アゼリア」では、受賞の料理を盛り込んだコース料理を提供予定です。 山本さんの函館市長賞受賞作品。函館近海で採れる3種の海藻を用いた料理。ホッケのアカモク入りすり身の蒸し物(左上)、ホッケと北大ガゴメの塩炒め(右)、イカゲソ入りイカすり身の昆布巻(左下)。野菜を用いて色彩豊かに仕上げ、丁寧な盛り付けが際立った一皿。 2020年1~2月に函館国際ホテル「アゼリア」でディナーとして提供予定の「郷土料理コンクール受賞コース(税込3000円)」。若手3人の受賞料理が盛り込まれます。 コースの一皿。山本さんの受賞作を生かした「アカモク入りイカすりみの昆布巻き」(手前)と「ホッケと北大ガゴメの塩炒め」(奥) 函館国際ホテル アゼリア 所在地 函館市大手町5-10 電話番号 0138-23-8755 営業時間 6:30~10:00(LO9:30) 11:30~15:00(LO14:30) 17:00~21:00(LO20:30) 定休日 なし

厚生労働大臣表彰受賞の木村史能さん、受賞記念メニューが好評

厚生労働大臣表彰受賞の木村史能さん、受賞記念メニューが好評

函館国際ホテル総料理長の木村史能(きむらふみよし)さんが、2018年11月に厚生労働大臣表彰(調理師制度功労者)を受賞しました。この表彰は、「調理師の資質向上や組織活動などを通して、調理師制度の発展向上に顕著な功績のあった者に贈られる」というもので、このたび全国で42人が選ばれました。 木村さんは旧恵山町(現在は函館市)の出身。調理師学校を卒業後、16歳で函館国際ホテルに入社し、中国料理の調理師として40年にわたり活躍。現在は同ホテルの総料理長、およびマイステイズ・ホテル・グループの道南エリア統括総料理長を務めます。   木村さんは、調理師学校での講師や日本中国料理協会函館支部の活動などを通して、後身の育成や料理技術の向上などにも熱心に取り組んできました。食材の特徴を深く探求することでも知られ、新たな地元食材の発掘や付加価値向上に大きな成果をあげています。こうした姿勢には、料理人仲間や生産者からも尊敬の眼差しが注がれます。 「食材の良さをいかにお客さんに伝えられるかが料理人の使命。そのためには食材を知ることが最も大事」と木村さん。近年は、函館市沿岸特産の「がごめ昆布」、隣町の秀峰・横津岳の伏流水で育てられる「王様しいたけ」(七飯町・福田農園)、みなみ北海道の江差町および乙部町産なまこ「檜山海参(ひやまはいしぇん)」などに注目しているそうです。   受賞を祝って、函館国際ホテルでは和食・洋食・中華それぞれで「木村総料理長 厚生労働大臣表彰受賞記念」コースを提供中。木村さんが太鼓判を押す食材を使った料理が好評です。 「檜山産なまこと王様しいたけの葱入り醬油煮込み」 ディナーのコース料理やアラカルトで提供している木村さんの料理。なまこは中国料理の定番食材ですが、檜山産のものはイボ立ちが高く、コリコリしたよい食感が出る逸品。また、王様しいたけは香りが強く、肉厚で歯ごたえがあるので、主役級の存在感があります。見た目、歯ごたえ、味わいのインパクトが感じられる一皿です。 函館国際ホテル 所在地 函館市大手町5-10 TEL 0138-23-5151

「料理人の卵」を育てる吉田徹さんインタビュー

「料理人の卵」を育てる吉田徹さんインタビュー

吉田徹さんは、函館短期大学付設調理製菓専門学校で西洋料理の教鞭を執り、これまでさまざまな現場で活躍する数多くの料理人たちを育ててきました。いわば「料理人(調理師)の卵」を育てる料理人です。また、行政や生産者、企業などと協力し、地域の食材を用いた新たなレシピや商品の開発にも精力的に取り組んでいます。吉田さんに、ご自身の経験や、食の街・函館の魅力を高めていくためのアイディアについて伺いました。     ■ 料理人を目指して東京へ 料理人になりたいと思ったのは、中学の頃でした。函館水産高校では、授業でスモークサーモンやクジラベーコンを美味しく作ることに没頭しました。函館短期大学に進み、栄養士の免許を取ったのですが、同時に夜間部の調理師学校にも通いました。そこで洋食を教えてくれた塚本政衛先生と一緒に青函連絡船に乗り、上京。上野の「東洋軒」という老舗の宴会場に着いたら、そのまま店に置いていかれて、仕事を始めることになりました。その日、自分の寝場所までどうやって帰ったかも分からないほどで、慌ただしく料理人の人生がスタートしました。   ■ 東京での経験 最初は食材を洗ったり、皿洗いの毎日。当時の調理場はまだ徒弟制ですから、とにかく厳しかった。日本屈指のトップシェフのひとりである当時の料理部門のチーフが、ある日、夜食の賄い料理に天ぷらそばを作ってくれましたが、その美味しさに仰天。一流の職人とはすごいものだと感心し、自分もそうなりたいとあらためて思い、憧れの職人の姿を追いかけることで仕事を続けることができました。忙しい日々のなか、自分を試すチャンスは料理コンクールでした。1987年、「ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール」日本予選では、約270人の応募者の中から、わずか10人の実技審査を受けることができました。   ■ 帰郷、そして「料理人の卵」を育てる立場に 青函博(青函トンネル開通記念博覧会)の前年、37歳の時ですが、函館駅前(現在のフォーポイント・バイ・シェラトン函館の場所)に「函館ハーバービューホテル」が開業したのを機に帰郷し、レストラン部門の料理長の職を得ました。東京での経験から自信はあったのですが、函館ではどういうものが好まれるのかが気になり、当時はいろいろな店の食べ歩きもしました。数年経ってレストランが軌道に乗った頃、母校である調理師学校から外部講師の依頼があり、生徒たちに西洋料理を教えに行くようになりました。当時は、テレビで「料理の鉄人」や「料理天国」といった番組が人気で、生徒はとにかく多かった。授業には定員以上の生徒がいるようなこともありました。   ■ 今の「料理人の卵」の気質とは? 今は昔に比べて、おとなしい生徒が多い。昔は、「いつまでも人に指示されて料理を作るのではなく、自分の考えた料理を提供し、お客様を満足させたい。だからシェフを目指す。」という風潮でしたが、今はどちらかというと、休暇、給料、勤務時間など待遇がしっかりと決まっている職場を望む傾向があります。就職の選択肢があり、かつ情報も多いので、どこにしたらよいのかをなかなか決められないのも今の特徴です。一方で、「ジョエル・ロブション」や「東京會舘」「グランドハイアット東京」など超一流を狙って、実際にそこに進む生徒もいます。   ■ 「食の街・函館」の魅力を高めるためには? これから料理を仕事にする人たちが夢を持てる食の街であることが大事。そのために、迎賓館のようなものを作ってみたいという夢を持っています。街にとって大事なお客様をもてなすために、語学が堪能な人に関わってもらい、第一級のサービスを提供する施設です。そこでは、料理人や生産者の名前をしっかりと掲げることが必要。フランス大統領のエリゼ宮での美食外交が有名です。函館には美しい四季が感じられる名勝「香雪園」もあり、そういう施設を利用するのもよいですね。料理人たちは、それに携わるためのステップを上がっていくために、勉強したり、精進したりします。夢のような話ですが、函館にはそうしたことを実現するための素材は揃っていると思っています。 「生徒たちには、調理のみならず、料理人の生き方を教えたい。」と吉田さん。親身さゆえの厳しさも時折のぞかせます。 函館短期大学付設調理製菓専門学校では、毎年「学校祭 味まつり」「食彩感謝祭」など市民向けに料理を提供する催しがあり、お手製の西洋料理の惣菜類が大好評です。 吉田さんは、がごめ昆布料理研究の第一人者。がごめ昆布の粘り成分を抽出し、ところてん状に固めたものを考案し、「函館がごめの雫」として商品化しました。近年、ところてんよりも柔らかいものを作ろうと配合を工夫し、「がごめ昆布のゼリー」を試作しています。 専門学校では、道南地方での漁業の厄介者であるサメを食資源として有効活用しようと、青森市のサメ専門業者「田向商店」などと共にレシピ開発を行っています。吉田さんは、サメの洋風すり身を使った「アブラツノザメのクネル チーズ風味」を考案。 吉田徹 1950年、函館市志海苔町(旧銭亀沢村)生まれ。函館短期大学食物栄養科、同大学付設の調理師学校の夜間部を卒業。「東洋軒」(東京)に17年間勤務し、西洋料理を担当。1987年に帰郷し、「函館ハーバービューホテル」のレストラン料理長に。同時に、函館短期大学付設調理専門学校で後進の指導を始め、2004年、教頭(調理実習・調理理論担当)に就任。社団法人日本エスコフィエ協会会員。

小川達也さん、若手料理人のコンクール(西洋料理部門)で函館市長賞

小川達也さん、若手料理人のコンクール(西洋料理部門)で函館市長賞

全日本司厨士協会函館支部と日本中国料理協会函館支部が主催する「青年部料理コンクール」西洋料理部門で、函館国際ホテルの小川達也さんが最優秀の函館市長賞を受賞しました。小川さんは函館近郊の森町出身。現在26歳。森高校では専門的な調理実習の授業もあり、料理に興味を持ち、札幌ベルエポック製菓調理専門学校に進学。卒業後、函館国際ホテルで洋食料理人の道を歩み始めました。入社して6年。ホテル改築工事中の10ヶ月間は、リーガロイヤルホテル京都で研修を受けてきました。現在は、2018年9月にリニューアルオープンしたレストラン「アゼリア」洋食部門の中堅として活躍中です。   同コンクールへの応募は5回目。今回、同じ職場の先輩である五島光さんとともに、中国料理と西洋料理の最高賞をダブル受賞となりました。「ブリの臭みを感じさせない料理にするために、コンクールの本番まで試行錯誤を重ねました。」「初めての最高賞受賞で本当に嬉しいです。ホテルも改築で新館が完成し、12月にグランドオープンしました。気持ちを新たにして頑張ります」と笑顔を見せてくれました。   このコンクールは、毎年11月に開催される「郷土料理発表会」と合わせて実施され、西洋料理と中国料理、両ジャンルの若手料理人の登竜門となっています。今回はブリと海藻を用いた料理で、西洋料理6人、中国料理8人が腕を競い合いました。   なお、このコンクールの受賞料理の一部は、函館国際ホテル1階レストラン「アゼリア」で、「第33回郷土料理発表会 受賞記念コース フレンチ」(税込2,800円)として2019年1月末まで味わうことができます(詳細はこちらです)。 小川さんの受賞作はオードブルの3品。「ブリのオレンジマリネ、エピスが香るビスコッティ添え」「ブリと大根の洋風タルタル」「ブリとガゴメのトリュフ入りカクテルゼリー」 「朝食がおいしいホテル」として全国的にも知られる函館国際ホテル。小川さんがオープンキッチンでの調理を担当することも。目の前で焼き上げるオムレツは絶品。 函館国際ホテル アゼリア 所在地 函館市大手町5-10 電話番号 0138-23-8755 営業時間 6:30~10:00(LO9:30) 11:30~15:00(LO14:30) 17:00~21:00(LO20:30) 定休日 なし 公式HP 函館国際ホテル

五島光さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

五島光さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

全日本司厨士協会函館支部と日本中国料理協会函館支部が主催する「青年部料理コンクール」中国料理部門で、函館国際ホテルの五島光さんが最優秀の函館市長賞を受賞しました。   五島さんは函館市出身の26歳。佐藤学園 函館調理師養成専門学校で調理を学び、函館国際ホテルに入社。中華部門で木村史能総料理長の下、腕を磨いてきました。現在では多忙な総料理長を補佐し、ときには現場の指揮も行う位置に抜擢。2018年9月にリニューアルオープンしたレストラン「アゼリア」を盛り立てます。   これまで何度も涙をのんできたコンクールでの最高賞受賞に、嬉しさもひとしお。「昨年、京都のホテルでの研修では、これまで学んできた四川料理とは違った広東料理の世界にも触れることができた。受賞の喜びと研修での経験を生かし、これからもいい料理を作れるよう頑張りたい」と抱負を語ってくれました。   このコンクールは、毎年11月に開催される「郷土料理発表会」と合わせて実施され、西洋料理と中国料理、両ジャンルの若手料理人の登竜門となっています。今回はブリと海藻を用いた料理で、西洋料理6人、中国料理8人が腕を競い合いました。   なお、このコンクールの受賞料理の一部は、函館国際ホテル1階レストラン「アゼリア」で、「第33回郷土料理発表会 受賞記念コース チャイニーズ」(税込2,800円)として2019年1月末まで味わうことができます(詳細はこちら)。 五島さんの受賞作は「菜食蔬菜鰤魚海帯(ツァイ スァ ショ ツァイ シォー ユイ ハイ タイ) 鮮やかな、鰤と昆布の料理」。アカモク、ガゴメ、赤とさか、青とさかなど様々な海藻類、色とりどりの野菜を用いて、鮮やかさを演出しました。 函館国際ホテルの中華部門は、レストランでの一品料理から大規模な宴会料理までを担い、幅広い仕事をこなします。身体を使った調理は中国料理の醍醐味を感じさせます。 函館国際ホテル アゼリア 所在地 函館市大手町5-10 電話番号 0138-23-8755 営業時間 6:30~10:00(LO9:30) 11:30~15:00(LO14:30) 17:00~21:00(LO20:30) 定休日 なし 公式HP 函館国際ホテル

北海道全調理師会函館支部支部長・函館割烹調理師会会長の坂本勝彦さん、北海道産業貢献賞を受賞

北海道全調理師会函館支部支部長・函館割烹調理師会会長の坂本勝彦さん、北海道産業貢献賞を受賞

北海道全調理師会函館支部支部長・函館割烹調理師会会長の坂本勝彦さんが、平成29年度北海道産業貢献賞を受賞しました。産業貢献賞は、地域の産業に長年の貢献があった方に送られる賞で、坂本さんは、函館における和食料理人の育成や技術指導への貢献が認められ、北海道知事から表彰されました。   坂本さんは、1955(昭和30)年、南茅部町川汲(現在は函館市川汲町)出身。生家は漁業を営み、両親が漁に出ている間に自身で料理をする機会が多く、料理人の仕事に興味を持ち、高校卒業後、京都の調理師学校に進みました。京都の料亭「六盛」で4年の修業の後、函館に戻って、「大門入川」を振り出しに、料亭やホテルなどで和食料理人として腕を振るってきました。6年前から函館近郊の森町にあるホテル「グリーンピア大沼」の料理長を務めています。   先輩料理人の松金正治さん(元函館割烹調理師会会長)の勧めで、若い頃から函館割烹調理師会に所属し、自己の研鑚や後進の育成に励んできました。現在、会長職として2年目。約80名の会員を束ねています。坂本さんは「家庭でも和食を口にする機会が減ってきている中で、和食文化を伝えていくためには、あらゆる手を尽くさねば」と言い、子ども向けの和食調理の体験教室の企画などにも意欲的に取り組んでいます。   函館の街は、明治・大正の頃には全国で屈指の人口を擁する都市だったこともあり、料理人の親睦交流組織の設立は早く、函館割烹調理師会は、北海道内で最も古い歴史を誇ります。2018(平成30)年に創設110周年を迎え、これにあたって食材の恵みへの感謝とその命の慰霊のため、函館市宝来町に慰霊碑を建立することを決定。会長の坂本さんは秋の除幕に向け、奔走しています。 ホテルの厨房では、料理長として6人の料理人を指揮します。 函館の和食文化を市民に知ってもらうことも坂本さんのライフワークだといい、大森稲荷神社(函館市大森町)の境内にあった「包丁塚」に看板を設置。包丁塚とは、料理人にとって大切な包丁に感謝し、供養するための拠り所で、全国各地に見られます。函館のものは1983(昭和58)年に建立。(所有:北海道全調理師会函館支部) グリーンピア大沼 所在地 茅部郡森町赤井川229 電話番号 01374-5-2277 公式HP

佐々木祥太さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

佐々木祥太さん、若手料理人のコンクール(中国料理部門)で函館市長賞

函館の若手料理人の登竜門「青年部料理コンクール(主催:全日本司厨士協会函館支部、日本中国料理協会函館支部)」の中国料理部門で、2017年の最優秀である函館市長賞に選ばれたのは、「中華料理 李太白(りはく)」の佐々木祥太さんです。佐々木さんは函館出身の32歳。4回目のチャレンジで初めての受賞とのことです。7年前、李太白に入社して料理人の道を歩み始め、現在は料理長を務めています。   今回のコンクールの題材はタラと海藻。佐々木さんはタラのすり身を使って、海藻を練り込んだ団子と、昆布や薄焼き卵を使った巻物の2品をつくり、野菜の飾り切りなどとともに秋をイメージして盛り付けました。佐々木さんは、「函館では中国料理の人たちはみな仲が良く、勉強する機会も多い。コンクールでは他の作品に触れることで自分にないものが見つかり、刺激になる」と語ります。佐々木さんの受賞に同店代表の廣田友博さんも顔をほころばせます。 応募7点の中で最優秀に選ばれた佐々木さんの作品「秋彩鱈海藻味」。タラのすり身を用いた団子と巻物を秋の色合いで盛り付け。 料理長として厨房に立つ佐々木さん。次々に入るオーダーを手早くこなしていきます。 佐々木さん、廣田友博代表(左から3番目)と厨房スタッフのみなさん。 中華料理 李太白(りはく) 所在地 函館市宮前町30-2 セイコービル1階 電話番号 0138-42-7778 営業時間 11:30〜15:00  17:00〜21:00(LO 20:30) 定休日 水曜日 公式HP

亀井葉月さん、若手料理人のコンクール(西洋料理部門)で函館市長賞

亀井葉月さん、若手料理人のコンクール(西洋料理部門)で函館市長賞

全日本司厨士協会函館支部と日本中国料理協会函館支部が主催する「青年部料理コンクール」西洋料理部門で、「五島軒」の亀井葉月さんが最優秀の函館市長賞を受賞しました。岩手県北上市出身の亀井さんは、パティシエを目指して函館短期大学付設調理製菓専門学校に入学。製菓とともに学んだ西洋料理の魅力にひかれ、洋食の道に進みました。卒業後、五島軒に入社して8年。現在は本店でデザートを担当しています。   コンクールへの応募は今回が2回目。「失敗を繰り返しながら、ようやく作り上げた自信作」と胸を張ります。五島軒初の女性料理長・山本庸子さんを目標にしながら、「きめ細やかな仕事でお客さんに喜んでもらえるよう頑張りたい」と抱負を語ります。   このコンクールは、毎年11月に開催される「郷土料理発表会」と合わせて実施され、西洋料理と中国料理、両ジャンルの若手料理人の登竜門となっています。今回はタラと海藻を用いた料理で、西洋料理5人、中国料理7人が腕を競い合いました。 亀井さんの受賞作「鱈と昆布のタルト、ベシャメルソース」。鱈、じゃがいも、昆布を包んだパイに、野菜で美しい色が添えられました。 「郷土料理発表会」の席上、亀井さんほか成績優秀者が表彰されました。 亀井さんは五島軒に4人いる女性料理人のひとり。伝統ある老舗料理店の厨房で腕を振るいます。 五島軒本店 レストラン雪河亭 所在地:函館市末広町4-5 電話番号:0138-23-1106 営業時間:11:30~LO20:30(11~3月はLO20:00) 定休日:1月1~2日、1~2月は毎週月曜定休。3~12月は無休 公式HP