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函館「食」ニュース

はこだてグルメサーカスで函館の食の魅力を発信

はこだてグルメサーカスで函館の食の魅力を発信

函館最大級の食のイベント「はこだてグルメサーカス2022」が9月3日~4日に開催され、2日間で計13万人が来場しました。   3年ぶりの開催となった今年は、函館・道南と東北、函館と空路でつながる東京・名古屋・大阪などから78店が出店し、各地の名物料理や各店自慢のグルメなどを販売しました。   今年7月に函館朝市内にオープンしたブリのアンテナショップ「函館朝市地ブリショップ」が初出店。   ブリ節で出汁を取った「函館ブリ塩ラーメン」や、ブリの切り身を揚げた「函館ブリたれカツ」などを提供し、近年漁獲量が急増している函館産ブリの新たな食べ方を来場者にPRしていました。   函館農水産物ブランド推進協議会は、2021年に誕生した函館の酒蔵「五稜(ごりょう)」や、道南産の酒米を弘前市の六花酒造が醸した酒「巴桜」を試飲付きで紹介。   同協議会ブースでは函館産の採れたて野菜も販売し、海産物だけではない函館の食の魅力を来場者にアピールしていました。

料理人のお仕事体験「フランス料理の世界にふれよう」開催

料理人のお仕事体験「フランス料理の世界にふれよう」開催

函館市内の小学4~6年生を対象とした函館市の主催講座「料理人のお仕事体験 フランス料理の世界にふれよう」が1月12日に開催され、16名が参加しました。フランス料理店「maison FUJIYA Hakodate(メゾン フジヤ ハコダテ)」オーナーシェフの藤谷圭介さんと支配人の山内武さんが講師を務め、料理の楽しさとテーブルマナーを子どもたちにレクチャーしました。 藤谷さんは、フランス風のハンバーグ「カイエット」と、付け合わせの「じゃがいものグラタン」の調理を実演。子どもたちも調理の一部と皿への盛り付けを担当しました。 参加した子どもたちからは「普段とは違う少し高級なハンバーグなどを作れて楽しかった」「キッチンに入って料理を作ることができたので、満足できた」「テーブルマナーが分かって勉強になった」「将来レストランで働こうと思った」といった声が聞かれました。   料理に興味を持ったきっかけについて「実家が漁師で両親は朝忙しかったため、子どもの頃から自分が朝食作りを担当するようになり、そのうちに本を見たり自分で食材を買いに行ったりして工夫して作るようになった」と話す藤谷シェフ。「小学校の頃から料理人をずっと夢見ていた。今も『もっと上手に、もっとおいしい料理を作れるようになりたい』とふくらみ続ける夢を追っている」とも。子どもたちに向けて「いつか仕事をする時には、いつまでも愛せる仕事、誇りに思える仕事に就いてほしい。そんな仕事ができるだけでも幸せだし、それで生活できるのは素晴らしいことです」と語り掛けていました。   続いて、山内支配人が基本的なテーブルマナーを解説。ナイフとフォークの持ち方や席を立つ時のマナー、ナプキンの正しい使い方など、スマートに見える振る舞い方を実演しました。   ナプキンの使い方に続いて、ナイフとフォークの正しい使い方も練習しました。目の前のショープレート(飾り皿)に料理が載っているイメージで、ナイフとフォークを動かします。   普段はスタッフしか入れない厨房で、藤谷シェフの調理を見学。ひき肉に調味料を加えて手ごねし、ラグビーボール状に成形するまでの一連の手順を見学してから、4人ずつのグループに分かれて同じ工程を実習しました。「牛肉に比べて水分量の多い豚肉の割合を多くすることで、よりジューシーに仕上がる」「脂が手の温度で溶けて味が変わってしまうため、肉は冷たいままこねる」など、おいしく調理するためのコツも学びました。   盛り付けも子どもたちが担当。藤谷シェフと同店の調理スタッフが焼き上げたカイエットと付け合わせのグラタンをセンス良く盛り付け、仕上げにソースをお好みの量注いだら完成です。   完成した「北海道産豚のカイエット じゃがいものグラタン添え」。   習ったばかりのテーブルマナーを守りながら、全員で試食。「もう普通のハンバーグには戻れない」「家でも作ってみたい」との声が上がっていました。   講座の結びに「今日のレシピを持ち帰り、家でもお父さんお母さんに作ってあげてほしい」と呼び掛けた藤谷シェフ。「これを機に食の仕事に興味を持ってもらえたら」と未来の料理人候補に期待を込めていました。

函館産イワシをイタリア風フライに、「リトルシェフ養成講座」開催

函館産イワシをイタリア風フライに、「リトルシェフ養成講座」開催

函館市内の小学生親子を対象とした料理教室「リトルシェフ養成講座」が11月27日に開催され、19名が参加しました。函館短期大学付設調理製菓専門学校の主催、函館市の共催。同校で教頭を務める吉田徹先生が、地元の食材を使った料理を親子向けにやさしくレクチャーしました。 今回は近年函館で漁獲が増えているイワシをテーマに、フライパンで作る「函館産イワシのフライ イタリア風」を親子で調理。七飯産の西洋ネギ「ポロネギ(リーキ)」を使ったポタージュも作りました。 父親と参加した小学校6年の近藤舜介さんは、「イワシのフライは言葉が出ないほどおいしくて、魚の旨みが口の中へ広がる感じでした。料理に関係する仕事は、将来やりたい仕事のひとつになりそうです」と、満足の笑顔を見せてくれました。 イワシの調理は、生の魚を手でさばくところからスタート。同校の生徒たちがサポートに付き、ポイントを手際よく教えてくれました。手順通りに行うと、中骨がきれいに外れます。   開いたイワシにまぶすパン粉は、細かく砕いたパセリと粉チーズ入り。色がきれいで香りも良く、「家でも使ってみたい」との声が。   少量の油をひいたフライパンで、パン粉をまぶしたイワシを片面ずつじっくりと揚げていきます。衣がきつね色に変わってきたら食べごろです。   きれいに揚がったイワシのフライを、参加者それぞれのセンスでお皿に盛り付けます。   完成した「函館産イワシのフライ イタリア風」。パセリ入りの衣をまとったイワシが白いお皿に映えます。   自分で調理した料理を試食。サクッと揚がったフライと、西洋ネギのやさしい甘みが広がるポタージュに大満足!   試食の時間を利用して、料理の道を志した理由や料理の世界の楽しさについて、今日の講座を手伝ってくれた同校の生徒にインタビュー。参加した児童は、料理人の卵たちの話に興味深そうに聞き入っていました。   調理体験終了後、同校の山本仁志校長から参加した児童全員に「リトルシェフ認定証」が授与されました。  

日本調理技能コンクール 2021年の函館市長賞は菊池隆大さん

日本調理技能コンクール 2021年の函館市長賞は菊池隆大さん

函館割烹調理師会が和食料理人の調理技術向上などを目的に毎年実施している「日本調理技能コンクール」。今年は11月1日に審査が行われ、各賞が決まりました。8日には応募作の盛り付け写真パネルが函館市役所1階市民ホールに展示され、市民にお披露目されました。 本年は12名の応募の中から「炭火割烹 菊川」の花板・菊池隆大さんが、最優秀賞の「函館市長賞」に選出されました。 今回のテーマは、コロナ収束後に観光客向けに供することを想定した「ランチ御膳」。3,000円で実際に提供可能な料理とし、ブリ、サンマ、ゆり根の3つの食材を必ず用いることが条件とされました。 菊池さんは、ブリは道南生まれの銘柄米「ふっくりんこ」と組み合わせて揚げ物に、サンマは年輪焼きにし、八寸のなかの一品に盛り込みました。ゆり根は地元特産のタラの白子やきのこ類と組み合わせ、さらに地酒の酒粕を用いたグラタンにして出品。「課題素材だけでなく、地元の食材によりこだわった。地域のことをより深く理解し、良い料理を作りたい」と語ります。 菊池さんの経歴は「料理人名鑑」をご参照ください。 函館市長賞受賞作「美食のまち函館」菊池隆大(提供:函館割烹調理師会)   各賞の受賞者は下記のとおりです。(敬称略) ■ 函館市長賞 菊池隆大(炭火割烹 菊川) ■ 函館割烹調理師会会長賞 佐藤 祐平(うにむらかみ 函館駅前店) ■ 北海道全調理師会函館支部支部長賞 三田 佑弥(炭火割烹 菊川) ■ 北海道日本調理技能士会会長賞 古寺 健(うにむらかみ 本店) ■ 函館湯の川温泉旅館協同組合理事長賞 岩館 昌人(旅館一乃松)   例年は会場で盛り付けし試食の審査を行いますが、昨年からはコロナ感染防止のため、盛り付けは写真による審査となりました。(提供:函館割烹調理師会) 「函館市長賞」受賞の菊池隆大さん(炭火割烹 菊川)

「函館料理アカデミー」ダイジェスト動画を公開しました

「函館料理アカデミー」ダイジェスト動画を公開しました

函館市経済部が主催し、8月26日に実施した料理人向け講座「函館料理アカデミー」第1弾のダイジェスト動画をYoutubeで公開しました。 当日は、世界各国の料理イベントや海外のシェフとの料理セッションなどに数多く参加している石川県金沢市の料亭「日本料理 銭屋」主人の髙木慎一朗さんが「訪日観光客をもてなす料理人の役割とは」と題して講演。講演に続いて、石川県の郷土料理「治部煮」をさまざまな食材で作る調理実演を行いました。 動画「函館料理アカデミー第一回ダイジェスト 髙木慎一朗氏」ではこの様子を、約18分にまとめています。ぜひご覧ください。  

料理人向け「函館料理アカデミー」を実施しました

料理人向け「函館料理アカデミー」を実施しました

函館市が主催する料理人向け講座「函館料理アカデミー」の第1弾が8月26日に開催されました。   石川県金沢市の料亭「日本料理 銭屋」主人の髙木慎一朗さんが講師を務め、「訪日観光客をもてなす料理人の役割とは」のタイトルで講演しました。その内容をレポートします。   「日本料理 銭屋」は、ミシュランガイド北陸版で2016年、2021年とも2つ星を獲得している名店。二代目主人の髙木さんは海外のさまざまな料理学会に登壇して日本料理の技法を紹介しているほか、世界各国の料理イベントや海外のシェフとの料理セッションなどにも数多く参加しています。   こうした経験を踏まえたうえで髙木さんは、「外国人のお客さんでも、(日本料理に触れる点で)相当な良い経験を積んでいる方は、一般的な日本人よりもはるかに敏感な味覚を持っている」と説明。「外国人だから○○が好きに違いない」「外国人には日本料理の繊細なだしの味が分からない」といったような誤った先入観を持たないことが大切だと指摘しました。   銭屋を訪れた外国人客が、万葉集や伊勢神宮の神事を引き合いに出して同席者にアワビの説明をしたというエピソードを紹介し、「日本料理を食べに来る外国人の多くは、味を楽しみに来るのではなくその背景にある歴史や文化を楽しむために来ている」とも話しました。   そのうえで、外国人をもてなすためには(1)料理の技術(2)歴史や文化に精通していること(3)外国語で自分の料理を説明できること(4)価値観の多様性を認識することの4つが必要だと説明しました。   最後に、吉兆の創業者・湯木貞一がヨーロッパ食べ歩きの旅から帰国した後に記した「世界の名物 日本料理」という言葉を紹介。「日本料理が世界で一番というわけではないが、世界にも似たようなものはなく、我々は大事にしなければならない」とその意味を解説し、「皆さんがそれぞれお持ちのアイデア、技術、経験をどう生かすかという点で、インバウンド対策を考えるのは非常に良いチャンス」と参加者を激励しました。   講演に続いて、石川県の郷土料理「治部煮」をさまざまな食材で作る調理実演を行いました。   「函館料理アカデミー」は、今年度中にあと2回の開催を予定しています。 2019年だけでも海外に26回出張したという髙木さん。コロナ拡大以降は行っていませんが、今なお各国のホテル・レストランから「いつになったら来られるのか」とオファーがあるそうです 「料理人は料理だけを伝承する役割にとどまらず、外国人にとっては日本を代表する文化の担い手に既になっている」と話す髙木さん 石川県を代表する郷土料理「治部煮」を題材に、伝統的な鴨肉と道南地域の食材を使った調理例を実演しました 北斗市・おぐに牧場の黒毛和牛と函館近海産のタラを使って治部煮を調理する髙木さん 海外では日本の食器を使わずに日本料理を提供するよう求められることも多いことから、今回は治部煮椀のほか、皿を使った盛り付け例も披露しました

「縄文」モチーフのスイーツが続々登場

「縄文」モチーフのスイーツが続々登場

函館市の垣ノ島遺跡・大船遺跡などを含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、ユネスコの世界文化遺産登録に向けて、国からの推薦書提出、専門機関による現地調査実施など、着々とその歩みを進めています。こうしたなか、世界文化遺産登録への機運を高めようと、函館の菓子店などでは、国宝「中空土偶(愛称:カックウ)」をモチーフにしたスイーツが続々と商品化されています。 【どら焼き】 JR函館駅前の千秋庵菓寮ハコビバ店では、店頭で仕上げる生どら焼きに、世界文化遺産登録を応援する「縄文DOHNANプロジェクト」のキャラクター「カックー」の愛らしい焼き印をつけて販売しています(2020年9月末まで)。ミニサイズの生どら焼きは、通年販売。ふわふわの生地に生クリームや小豆あんなどをはさんだ商品で、抹茶、イチゴ、小豆、そして秋限定のモンブランを加えた4種を販売。1個250円(税込)。店内でのイートインで、またはテイクアウトもできます(消費期限は当日中)。 【クッキー】 洋菓子店のプティ・メルヴィーユでは、「カックー」をかたどったクッキー「かっクッキー」を販売。甘さを抑えたバター風味のクッキーで、「カックー」の顔と全身の2種類があります。10枚箱入り1,000円(税込)、6枚袋入り600円(税込)。函館駅前、金森赤レンガ倉庫内などにある同社の全4店舗で購入できます。 また、「土偶ッキー(どぐっきー)」は、縄文ファンにはよく知られている人気商品です。社会福祉法人かいせいが製造販売する手作りクッキーで、リアルな中空土偶が焼き印されています。酸化防止剤無添加で、北海道産小麦などの原材料にこだわり、風味よくサックリした食感が特徴。2019年函館圏優良土産品推奨会で最高賞を受賞しました。 12枚箱入り800円(税込)。津軽海峡フェリー函館ターミナル売店、どんぐり2号店(函館市地域交流まちづくりセンター内)、渡島総合振興局売店で販売しています。   函館・道南の和洋菓子店や関連企業などで構成する函館スイーツ推進協議会では、現在、函館縄文スイーツロゴマークを策定中。今後も縄文をモチーフとした新商品が期待されます。

市街地にチャルメラ響かせ、バスラーメン営業中

市街地にチャルメラ響かせ、バスラーメン営業中

「函館元祖バスラーメン」は小型バスを改装したラーメン店。湯の川温泉の一角で夜間営業したり、近年は大型クルーズ船が来港した際にふ頭で営業するなど、本格的な函館ラーメンの味わいとユニークな営業形態が相まって、函館名物のひとつにも挙げられる人気店です。店主の丸山憲雄さんは、ラーメン作り40年のベテラン。長年、函館を訪れる観光客に愛されてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大とともに、客足がぱったりと途絶えてしまいました。そんな中、「ぜひ家の前に来て作って欲しい」という市民の要望があり、バスを走らせながら売り歩くことを決意。開業当初には小さなワゴン車で市内を巡回していたこともありましたが、3月から約20年ぶりに巡回での営業を再開させました。 巡回は、午後5時~10時の間で、曜日ごとに区域が決まっています。現在は市内の石川地区や西旭岡地区などを巡り、週末の日中には、戸井地区にも出向きます。住宅街に入ると、チャルメラの音をスピーカーから響かせ、バスをゆっくりと進めます。声が掛かれば停車し、その場で調理して玄関先まで配達。チャルメラを聞きつけ、どんぶり片手に家の前でバスを待つ常連さんもあるそうです。なお、巡回営業ではテイクアウトのみ(どんぶり持ち込み、またはテイクアウト用容器)の対応になります。 出発前、自宅の駐車場奥に設えたキッチンには、入念に仕込みをする丸山さんの姿が。スープは、豚丸骨や鶏のガラやモミジ、香味野菜などを使い、隠し味には函館真昆布も入れ、ゆっくりと丁寧に炊いていきます。このスープの特徴が最も引き出されるのが、函館の王道「塩ラーメン」。シンプルな味わいに、年配の人ならば昔懐かしいラーメンを思い出し、どこか郷愁を感じるかもしれません。 「コロナが早く収束し、観光客が戻ることをひたすら願っている」という丸山さん。 湯の川温泉に観光客が戻ったら、車内飲食を主体とした温泉街での定点営業を再開します。 【湯の川温泉営業場所】国道278号松倉橋たもと(湯の川観光ホテル隣) 問合せ:函館元祖バスラーメン Tel:090-2873-7173 注文を受けるとバスを止め、丸山さんは運転席から車内の後部に移動し、さっそく仕事にかかります。長年使い込まれたキッチンで手早く調理。 この日は妻の寿子さんが同乗。長年の常連さんの自宅前で、車内から手渡します。 澄んだスープの塩ラーメンはこの店の一番人気。やわらかでひときわ大きなチャーシューが載り、麺はスープの旨味をしっかりとまといます。 週末の日中には、昆布漁が盛んな函館市東部の戸井地区も巡回。チャルメラを鳴らして、ゆっくりとバスを進めます。

貸切電車でスイーツ&街歩き「函館スイーツ電車」レポート

貸切電車でスイーツ&街歩き「函館スイーツ電車」レポート

函館市電を貸し切って、スイーツと街歩きが楽しめる「函館スイーツ電車」。2年目となる2019年は、10月26日から11月10日までの土日、計6回開催されています。函館山のふもとにある「谷地頭」で折り返すコースと、温泉で有名な「湯の川」で折り返すコースがあり、市電の車内でオリジナルスイーツを味わいながら、折り返し地点ではガイドつきで街歩きも。10月26日に開催された谷地頭コースをレポートします。 「函館駅前」電停から市電に乗車して谷地頭方面へ向かいます。「アミューズメントトラム501号」は、函館市内を周遊しながら、ビアパーティーやカラオケなどができる貸切車両です。 乗車するとさっそく、本日のスイーツの紹介。市電車両をモチーフにした限定特製BOXを開けると、タルトと上生菓子がお目見え。思わず「わぁ!」と歓声が上がりました。 アミューズメントトラムや箱館ハイカラ號などの座席を模した紅色のBOXには、函館スイーツ推進協議会加盟店によるオリジナルタルトや上生菓子が並びます。小ぶりですが、カラフルで華やかなスイーツたちに心が躍ります。 「どれから食べようかな」と悩んでいるうちに、「青柳町」電停に到着。ここからは街歩きガイドの案内で散策を楽しみます。 「青柳町」電停から徒歩3分の函館公園。紅葉が進み、公園内の木々や函館山が美しい色合いになっていました。 この日のガイドは、歴史や建築など様々なジャンルの専門家集団・GRHABIP (グラビップ)の布村重樹さん。函館公園は、明治12年に開園した日本で最初の都市公園のひとつだそうです。 同じく、GRHABIPのメンバー・榎本陽輔さん。市立函館博物館の脇にある「虫塚」は、元々は五稜郭公園内にあったもので、コガネムシの形をしています。標本作製に用いられた昆虫を供養するために建立されました。 地元の人でも知らないようなスポットや、函館の魅力を教えてもらいながら、目的地のカフェに到着。この日は、市電「谷地頭」電停から徒歩7分、海沿いに店を構える「café海と硝子」です。 大きな窓からは津軽海峡と函館が一望できる絶景。この日は小雨がぱらつく天気でしたが、迫力のオーシャンビューに一同感動。晴れの日には正面に函館空港や、対岸の青森県まで見られるそう。 こんなカラフルなソーダも。青い空と海が見えたら、インスタ映え間違いなし。外を眺めていると、つい時間を忘れてしまいます。なお、カフェでの飲食は参加料に含まれていません。 後ろ髪をひかれながら、「谷地頭」電停からふたたびアミューズメントトラムに乗車して、函館駅前へ。取り皿やフォークなどが用意されているので、車内でスイーツを食べられます。ケーキが大好きという小学生、自然と笑顔が咲きました。 「函館スイーツ電車」は、限定スイーツBOXと街歩きガイド観光がついて、参加料は2500円。あっという間の2時間でした。スイーツの種類は毎週少しずつ変わるそう。何度参加しても楽しめそうです。今年のスイーツ電車運行は、11月10日まで。残り4回ありますので、参加してみてはいかがでしょう。 【今回のスイーツはこちら】 はこだて恋いちごカスタード/ジョリ・クレール 糖度15%以上の甘さを誇る函館のブランドいちご「はこだて恋いちご」を使ったタルト。カスタードクリームといちごがベストマッチ。 抹茶タルト/スウィーツギャラリー北じま モンブラン風の抹茶クリームの中には、もちもち食感の抹茶葛練りとつぶあんが入って、和の味わい。 マンゴータルト/ふうげつどう アーモンドタルトの上に、完熟マンゴーをのせて。パッションフルーツとマンゴーのゼリーをまとった、南国を感じさせるタルト。 モンブランタルト/五島軒 マロンクリームだけでなく、中にも刻んだ栗が入っていて、旬の栗を存分に味わえるモンブラン。 玉菊/菓匠ゆめや 淡い紫色がなんとも美しい、ほっとするような優しい甘さの練り切り。   「函館スイーツ電車」 日時: 谷地頭コース2019年10月26日(土)・11月3日(日)・11月9日(土) 湯の川コース2019年10月27日(日)・11月2日(土)・11月10日(日) いずれも10:00~12:00(9:30集合) 集合場所:JR函館駅西口 参加費:2500円 ※4歳以上同額、4歳未満は無料 定員:各回20名(最少催行人員10名) 申込み:WEBまたは下記へ電話(定員があるので、、申し込みできない場合があります。詳細は主催者にお問い合わせを。) 問合せ:JTB北海道事業部函館オフィス TEL 0138-56-1711(平日9:30~17:30)

25000人が来場!「はこだてFOODフェスタ2019」開催レポート

25000人が来場!「はこだてFOODフェスタ2019」開催レポート

冬の函館を盛り上げるために、2018年から始まったイベント「はこだてFOODフェスタ」。2019年2月23日・24日に行われた「はこだてFOODフェスタ2019」のレポートをお届けします。   会場は函館アリーナのメインアリーナ。まだ2回目と新しいイベントですが、函館・道南のグルメが一堂に集まる貴重な機会とあって多くのお客様が詰めかけ、来場者数は2日間で延べ25000人を記録しました。   会場中央には飲食席と2つのステージが設けられ、その両サイドに、函館の食の特色を表現するテーマブース、函館・道南の食材にこだわった飲食ブース、一次産品や地元企業による加工食品・調味料を販売するマルシェブースなど、全58ブースが並びました。また、ママやキッズのためのイベント「ママズパーティ」も同時開催。   当日は天候に恵まれ、開場を待つお客様の行列はアリーナの外まで伸びました。2日間ともに、先着200名のかたにブランド米「函館育ちふっくりんこ」300gをプレゼント(提供:北海道米販売拡大委員会)。   【人気殺到、海上自衛隊カレー】 今回最も人気を集めたのは、海上自衛隊カレー。海上自衛隊では航海の間に曜日感覚を失わないよう、週末のお昼にカレーを食べているそうです。艦艇や部隊ごとに受け継がれる秘伝のカレーを格安で味わえるとあって、「ぜひ食べてみたい」とお客様が殺到しました。23日は「護衛艦ゆうだち」と「護衛艦まきなみ」、24日は「掃海艇いずしま」と「海上自衛隊函館基地」の、合計4種類のカレーを販売。   こちらは、掃海艇「いずしま」の「海の男の(ソルティードッグ達)豚カレー」300円。大きめの具材がゴロゴロと入った、スパイシーな香り漂うカレーでした。   【函館の食の特徴を表現、テーマブース】 日の出製麺による「函館塩ラーメン」(300円)は、道産小麦(きたほなみ、ゆめちから)100%の麺を使用し、こだわりのチャーシュー入り。2日間で3回、各回200食があっという間に売り切れました。   ユニークなディスプレイで目を引いたのは、炭火割烹 菊川の「ごっこ汁」(300円)。南茅部地区で獲れた旬のごっこをふんだんに使用しました。冬の函館を代表する味覚です。   函館鮨同業会は、寿司や海鮮丼、三平汁を販売。目の前で職人さんたちが手際よく寿司を握っていきます。   写真左から、海鮮弁当(1500円)、あわび&いくら丼(1800円)、うに&いくら丼(1500円)。   函館グルメといえば欠かせないのが、いかめし。創業・昭和24年、函館の老舗いか加工食品メーカー・かくまんの自慢の品。2個600円。   ダイニング五稜郭 彩葉(いろは)は、はこだてFOODフェスタ限定メニューの「キッズバスケット」を販売。写真左上の肉巻きおにぎりは道南産の豚肉とふっくりんこを使用し、甘じょっぱい味つけが子どもたちに大人気。   【学生が腕を振るった自慢のアイテム販売】 「限定販売ブース」には、市内の5つの学校が出店。函館大妻高等学校の皆さんは、イカとカレーをふっくりんこで包んだ「焼きおにぎり」の冷凍品(100円)を、おいしい食べ方レシピとともに各日100個限定販売しました。   ロシア極東連邦総合大学函館校の皆さんは、色鮮やかなロシアのビーツ入りサラダ「ヴィネグレット」を包んだ焼きピロシキ(250円)を、各日100個限定販売。   ケーブルテレビNCVによる生中継で、地元企業と共同開発したお菓子をPRする北海道函館商業高等学校の皆さん。七飯産サンふじを使用したジャム入りクッキー「りんごに恋した女子高生」(810円)と、北海道産真昆布を使ったチョコチップクッキー「函館夜景色」(600円)を販売しました。   【マルシェブース】 カネキ金井商店(青果卸業)のおすすめ品は、低温貯蔵室でねかせて 甘みを引き出したジャガイモ「熟成北カムイの感動」(L・LMサイズ12個入り300円)。煮くずれしにくいのでカレーや肉じゃがにピッタリです。   ずらりと並んだキノコで注目を集めていたのは、厚沢部町からの出店者「しぶたの毎日きのこ」。目玉商品「えぞまいたけ」は、新鮮だからこその芳醇な香りとシャキシャキした歯ごたえが特徴です。   道南の豆腐屋グループ「はこだてのおとうふ屋さん」は、地元豆腐店活性化プロジェクト「TO-FUTURE(トウフューチャー)」で栽培した大豆を使った「はこだて福豆豆腐(350円)」を販売。「しっかり大豆の味がする豆腐」と大好評。   函館農林水産物ブランド推進協議会によるブース「函館真昆布処UMAMI」では、南茅部産「さざ波昆布(早採りやわらか昆布)」の試食や、昆布料理レシピを提供。また、函館真昆布を使った出汁昆布、おぼろ昆布、昆布巻などを販売しました。   道の駅みそぎの郷きこないにある人気パン店「コッペん道土(どっと)」では、スタッフの皆さんが「昨年はあっという間に売り切れてしまったので、今年はたくさん持ってきましたよ!」と笑顔でお客様を歓迎。人気商品「ぱくぱく塩パン」や、開店3周年記念商品「みそぎの塩メロンパン」(150円)などを販売。   「パティスリーイグレック」(北斗市)は、東京やフランスで修業した女性パティシエが作る極上スイーツの店。新鮮なイチゴやオレンジをはさんだフルーツサンド(400円)は見た目も華やかで、大人気でした。   【飲食ブース】 「STEAK&HAMBURG ひげ」は、おぐに牧場(北斗市)の和牛をつかった贅沢な「ローストビーフ」(1g10円)や、ビーフシチューを販売。オレイン酸豊富な上質で旨みのある牛肉が、口の中でとろけます。   「函館カール・レイモン」は、はこだてFOODフェスタ限定の自社製パテとベーコンを使用した「レイモンベーコンバーガー」(600円)や、焼ソーセージを販売。   「炭火ジンギスカン ひつじどし」のジンギスカン丼。「函館熟成ダレジンギスカン」のお土産パックも販売しました。   「Endeavour(エンデバー)」は、函館湯川ブリュワリー醸造のビール「Hydrangea ホワイトエールベース」(500円)や、ハンドドリップコーヒーを提供。   道南産ホタテを使った2品をご紹介。写真左は森町の人気パン店「もりまちTAMURA‘S」の揚げたてホタテカレーパン、右は陸上自衛隊函館駐屯地内の食堂「Cafe pan gi(カフェパンジ)」のホタテカレーうどん。   友栄 太田かまぼこは、おかずにもおつまみにもおすすめのかまぼこを販売。いか、たこ、ほたて天、各300円。函館いかメンチや、男爵肉コロッケなども並び、ご自宅へのおみやげとして買い求めるかたが多数。   スウィーツギャラリー北じまの人気商品「ティラミスメロンパン」(200円)。ほんのり苦いティラミスの風味が効いたパンに、甘さ控えめのクリームが合います。   【ステージイベント】 会場中央に設けられたキッチンステージでは、シェフの実演調理や料理教室など、はこだてFOODフェスタならではのイベントが開催されました。   北海道全調理師会函館支部によるステージでは、菊地隆大さん(炭火割烹 菊川 花板)が「ほたて、いか、大豆、根菜の胡麻豆腐グラタン」を実演調理。手元はテレビに大きく映し出されます。   日本エスコフィエ協会によるステージでは、片桐正史さん(センティール・ラ・セゾン函館山 料理長)が「サメ肉のポシェとフォアグラのマリアージュ リンゴのクーリを添えて」の調理法を披露。   できあがった料理は、会場のお客様にふるまわれました。   24日(日)は、コープさっぽろ×はこだてFOODフェスタ実行委員会が「子どもが喜ぶ お弁当のおかずコンテスト」を開催。3名のシェフが作ったお弁当のおかずを提供し、子どもたちに投票してもらいました。   子どもたちからの支持を最も集めたのは、熊猫社中洋食キッチンSato オーナーシェフの佐藤誠一さん。おめでとうございます!   北ガスクッキングスクールによる料理教室では、専任講師・輪島美哉子さんが「林檎の入ったチーズケーキとはこだて恋いちごのブリュレ」の作り方をレクチャー。会場には甘い香りがただよいました。   第1回に引き続き、はこだてFOODフェスタのスタートを飾ってくれた北海道函館西高等学校吹奏楽局の皆さん。   地元チームによるダンスステージや、姉妹都市・ユジノサハリンスク市(ロシア)の青少年ダンスユニットによる舞踏芸術パフォーマンスも会場を盛り上げました。   ジャズやゴスペル、太鼓などの演奏もあり、来場者を楽しませました。   天候にも恵まれ、2日間でのべ25000人ものお客様が来場した「はこだてFOODフェスタ2019」。冬の寒さを忘れるほど熱気につつまれた会場でした。 2020年は2月22日(土)23日(日)に、さらに規模を拡大して開催される予定ですので、お楽しみに!  

函館のこだわり食材「夏の鱈」を使った料理実演講習会

函館のこだわり食材「夏の鱈」を使った料理実演講習会

2019年9月3日、「おいしい函館 料理実演」が函館短期大学付設調理製菓専門学校で実施されました。今回のテーマは、「夏の鱈(たら)」。当日は、市内の料理人や飲食店関係者、同校で研修中のシンガポールの学生ら41名が参加しました。まず、函館近海で水揚げされる活魚を、神経〆の処理をすることで付加価値を高める取り組みの紹介。水揚げされたままの新鮮なものと、神経〆して数日間熟成させたものの食べ比べも行いました。次に、一般に冬の魚とされる鱈が、夏においしい理由が紹介され、この魅力を生かした料理を和・洋・中3人の料理人が実演。函館のこだわり食材「夏の鱈」料理を学ぶ機会となりました。   ■ 函館の夏鱈の魅力 一般には鍋料理などで人気の鱈は、「鱈腹(たらふく)食べる」と形容されるほど、夏の時期から旺盛な食欲で身を肥やして冬の繁殖に備えます。夏にはまだ卵や白子(精巣)は楽しめないものの、冬に比べて身質が非常によく、刺身をはじめ白身を使う料理では、冬時期よりもむしろおいしく食べられます。とりわけ函館近海の鱈漁は、はえ縄や一本釣りで行われることから鮮度がよく、魚体に傷の少ないものが水揚げされます。また、漁場から市場が近く、さらに空港も近くにあることから、高付加価値の鱈を首都圏などにいち早く出荷できるメリットもあります。「神経〆」などの鮮度保持の工夫もあり、東京の料理人などから高い評価を得ています。   ヒラメやソイなど函館近海の活魚を神経〆して、国内各地、さらには海外へも出荷する坂井貴博さん(坂井鮮魚店)。魚の「神経〆」について説明し、目の前でその作業を披露。神経〆を行ってから料理に使われるまでの時間や、料理法などを考慮して、いくつかの手法を使い分けているとのことでした。   続いて、3人の料理人による鱈料理の講習と試食が行われました。   ■<和食>鱈ずんだ餅包み トマト旨味赤出汁餡掛け ~二種類の紫蘇の香り~ 講師:菊池隆大さん(炭火割烹 菊川)   レシピはこちら   菊池さんからは、「鱈を昆布締めするときは、昆布の風味が移るまで置いたほうが加熱したときにおいしくなる」とのアドバイス。   ■<洋食>夏タラのムニエル カツオ風味のクリームソース添え 講師:吉田徹さん(函館短期大学付設調理製菓専門学校)   レシピはこちら   受講者からは、「牛乳と鰹節を合わせたソースが斬新で、かつ簡単なレシピだったことが良かった」との感想が聞かれました。   ■<中華>鱈魚海藻吐司(シュィユイハイソゥドウス) 真ダラのアカモク入りサクサクトースト揚げ 講師:木村史能さん(函館国際ホテル)   レシピはこちら   食パンにのせた鱈などの具材をホイップした卵白で覆い、いったん蒸してから油で揚げて仕上げます。サクサクとふんわり、二つの食感の中から、鱈とアカモクのうま味があふれ出てきます。   今回の参加者で、函館市内で和食料理店を経営する岸部悟司さんは、「自分とは違うジャンルの料理人の技術やアイディアを知ることで、新しい料理法を見つけるヒントが得られた」との感想を語っていました。

収穫と料理を通して「食」を考える、夏休み親子バスツアー

収穫と料理を通して「食」を考える、夏休み親子バスツアー

「野菜やベリーの畑を巡り、自分たちで収穫したものを使って料理をしよう」という親子夏休みバスツアーが、2019年8月6日に開催されました。ツアーには親子5組10人が参加。夏でも比較的涼しい函館ですが、この日は特に暑さを感じさせる快晴の一日でした。料理を指導する木古内のレストラン「どうなんde’s」八木橋一洲シェフがバスに同乗し、ツアーがスタート。午前は、函館近郊の七飯町と北斗市にある3つの農園を巡り、生産者から話を聞いた後、畑に入って収穫を体験しました。ランチは、採れたての野菜を使ったプロの料理を野菜倉庫の中で味わいました。午後からは函館市内のキッチンスタジオに移動し、八木橋シェフ指導のもと、収穫してきた野菜を使ってパスタソースづくりに挑戦。出来上がったパスタソースは、それぞれ持ち帰りました。参加者のひとり、砂金匠(いさごしょう)さん(北海道教育大学附属函館小6年)は、「畑で収穫体験をしたのは初めて。普段からレタスは好きだけど、畑で食べたレタスはそれよりも断然おいしかった」と、レタスを使ったサンドイッチを食べながら満足げに語ってくれました。 最初に訪れたのは、七飯町の大沼公園近くにある「大沼ガロハーブガーデン」。まずは蜂蜜づくりの様子を見学。農場の山崎健さんの話を聞き、養蜂箱の中を見たり、ミツバチの生態について学んだりしました。加熱処理していない生の蜂蜜を味見し、その美味しさにびっくり。 この日、最初に確保した食材はハウス栽培されているバジル。香り高くハーブの王様とも呼ばれています。バジルを採ったら、急ぎ足で涼しい外へ。 次に訪れたのは、北斗市でブルーベリーを生産する「ハウレット農園」。園主のハヌル・ハウレットさんから、親子2代にわたって続けてきたブルーベリーの自然栽培について説明を受けました。 農薬は使っておらず、実は洗わずそのまま食べられるということ。参加者たちは濃紺色でしっかり大きくなった完熟のブルーベリー探しに夢中。 慣れてくると熟した実がどんどん見つかり、すぐにパックいっぱいのブルーベリーが収穫できました。 最後に訪ねたのは、有機農業でレタスを生産する北斗市の「高坂農園」。高坂重勝さんが育成時期の異なるいくつかの畑を巡りながら、小さな種をまいてから収穫まで約70日かかるレタス栽培の全てを説明してくれました。 いよいよレタスの畑で収穫。大雨のなかでも毎朝早くから収穫しなければならないことや、雨が少ないと大がかりな水まきに追われるという苦労も聞きました。 採れたてレタスを畑でガブリ。「みずみずしさがぜんぜん違う」と、子どもたちの驚きの感想が聞かれました。 レタスを1個ずつラッピングする機械も見学。あっという間にポリエチレン包装され、普段スーパーで見るレタスの姿に。 ランチは、八木橋シェフ特製のベーコンレタスサンドに舌鼓。畑を巡り歩き、腹ぺこになった子どもたちは、実においしそうに食べていました。 キッチンスタジオでは、八木橋シェフの指導のもと、パスタソースづくりに挑戦。採ってきたバジルとブルーベリーを惜しげなく使い、すりつぶしたり、ぐつぐつと煮込んだり。普段はあまりやらない調理を通して、料理が好きになったとの感想も聞かれました。 作ったソースを使って家でおいしいパスタが作れるよう、シェフから秘訣をいろいろ教わりました。最後は皆で記念写真。

カジュアルな和菓子の吉田食品、工場見学と上生菓子の手作り体験

カジュアルな和菓子の吉田食品、工場見学と上生菓子の手作り体験

スーパーのパンコーナーの傍らで売られている個別包装の和洋菓子。華やかなショーケースに並ぶ生ケーキに比べればどこか地味ですが、いつでも手頃に甘いもので満足できる、名脇役ともいえましょう。「ヨシダのお菓子」のブランドで、まんじゅうやパイなど日配品の和菓子を製造し、函館周辺や道内各地に卸売している吉田食品は、1942(昭和17)年に吉田製菓として函館市で創業。以来、事業を拡大させ、2015(平成27)年、函館市西桔梗町に本社と工場を新設しました。翌年からは、和洋菓子のイートインが楽しめる開放的な直営店「ひとひら」が敷地内にオープン。製法や素材にこだわった作りたての菓子の販売を行っています。また、予約制での工場見学を行っているほか、菓子づくりの体験会も受付しています。 吉田食品の本社に入ると、すぐに工場の製造ラインが目に飛び込んできます。廊下に沿った大きな窓ガラス越しに、機械が動く様子や手作業で菓子を作る工程を見学することができます。 工場の案内役は業務推進部長の冨永義人さん。作業内容は日々刻々と変わり、今、どんな機械がどの工程を行っているのか、案内板を使いながら丁寧に説明してくれます。 この日の見学工程は、人気商品「はこだて自慢くりりんカボチャパイ」の製造。函館近郊の森町で有機栽培され、糖度が抜群に高く極上の甘味を持つかぼちゃ「くりりん」を用いて作ったパイです。かぼちゃあんを機械を使いパイ生地で包み、整形されます。その数は1分あたり40個! 特にこだわっているのは、あん作り。小規模の菓子店やメーカーなどでは、製あん所から生あんを仕入れて菓子に加工することが多いのですが、ここでは丁寧に手間と時間をかけて、小豆や手亡(てぼう)などから生あんを作っています。あんの配合は商品によって細かに異なり、50種以上にもなるそうです。 どらやきや中花まんじゅうなどでは、やわらかな口当たりを残すため、機械に頼らずすべて手作り。見学の最中には、出来たてのどらやきを試食できます。直営店では、店頭で皮を焼いて、その日のうちに食べる生菓子のどらやきも販売しています。 隣接する直営店「ひとひら」に移動し、今度は上生菓子の手作り体験です。店内には、「ひとひら」ブランドの高級感ある和洋菓子が並びます。飾り菓子や、縁起の良い魚などを型どった落雁の木型も展示。イートインやキッズスペースもあり、子ども連れでも楽しめる空間です。 上生菓子の手作り体験の指導は、代表取締役の吉田貴之さん。吉田食品の3代目です。大学卒業後、東京の菓子店で修業した後、帰郷して一級和菓子製造技能士の資格を取得。菓子材料を用いて花鳥風月などを表現する、飾り菓子の技能コンクールでは、輝かしい成績を何度も残しています。また、北海道で2人しかいない、厚生労働省認定・和菓子「ものづくりマイスター」のひとりです。現在は、高校の製菓課程や調理製菓専門学校でも教鞭を執っています。 今回体験した上生菓子は、白あんに求肥(ぎゅうひ)を練り込んだ、いわゆる「練り切り」。最初はわかりやすいように、着色しない練り切りを使い、あんを包む練習から。 その後、色づけした練り切りをつかって本番開始。植物などを用いて鮮やかに色づけされた練り切りは、指先で薄く延ばしていくうちに、繊細で和の雰囲気を持つ色合いに変化していきます。 あんを包んだら、ヘラや針など独特の道具を使って形付けしていきます。 指先で花びらを形づくり、見映えよく仕上げます。中心に少しだけ練り込んでおいた白の色合いが、ほどよいぼかし模様に。水色の鮮やかなめしべを飾って、「桔梗」が完成しました。 「桔梗」(下)に続いて、「楓」(中)と「乱菊」(上)を作りました。練習から3つの作品が出来るまで、約1時間半の体験。左の列が体験生の作品、右の列が吉田さんの模範作品です。 工場見学は事前申込制で随時受付(土日休・無料)。上生菓子の手作り体験は、日程・場所・材料代などについて要相談。問合せは吉田食品0138-83-1784まで。 株式会社吉田食品 住所:函館市西桔梗町851番地8 電話番号:0138-83-1784 直営店舗「ひとひら」函館市西桔梗町851番地8 電話番号:0138-83-6668 営業時間:9:00~19:00 年中無休

自慢の食材でフルコース 調理師学校のレストラン実習

自慢の食材でフルコース 調理師学校のレストラン実習

函館短大付設調理製菓専門学校では、2019年6月14日、フードサービス実習として、「レストラン ペテ」を開催しました。これは、学生たちが函館をはじめとする道南でとれた自慢の食材を使って、参加者にフルコース料理を提供する企画。当日の料理や食材について、その一部をご紹介します。   「鹿部産小エビとアボカドのサラダ」 内浦湾に面した鹿部町は、ホタテ養殖やタラコ加工で知られ、四季を通して様々な魚介が水揚げされます。春先は甘エビ漁が盛んで、新鮮な甘エビが函館の市場にも並びます。甘エビはボイルされ、小ぶりの身をボリューム感ある盛り付けに。ゆで卵にのせられたのは、函館近郊の福島町で生産される黒米「きたのむらさき」です。古代米を北海道のもち米と交配させて品種改良を重ねてきたもので、植物色素のアントシアニンを豊富に含みます。これらにグレープフルーツとスモークサーモンのソースをまとわせて、サラダでいただきます。   「レストラン仕様のボルシチ」 函館は幕末からロシアとの交流が盛んで、市内のレストランではロシア伝統のスープ料理「ボルシチ」が提供されていたそうです。今日も老舗レストランなどで作られている味を参考に、たっぷりの地場野菜を使って仕上げました。特徴的な赤色を出す野菜のビーツは函館近郊でも栽培されており、地元産のものを用いました。   「北里牛フィレ肉のステーキ メートルドテールバター添え」 北里牛は、函館近郊の八雲町にある北里大学獣医学部の付属施設、八雲牧場で飼育された稀少なものです。120ヘクタールもの放牧地に、わずか250頭の牛が化学肥料や農薬を用いない牧草のみによる自然放牧で飼育されており、健康志向の高まりから注目が集まっています。丁寧に火入れされた高級部位のフィレ肉は、とてもやわらかで、衣に包んだメートルドテールバターソースが香りと味わいを添えます。   「黒米と黒千石大豆のぜんざい・かぼちゃのムース添え」 福島町の黒米「きたのむらさき」と、乙部町特産の極小粒の大豆品種「黒千石」で作るぜんざいに、駒ヶ岳山麓の森町みよい農園のかぼちゃ「くりりん」を使ったムースが添えられます。ぜんざいは、あえて黒米と黒千石の細かな粒を残して食感よく。「くりりん」は糖度25度を誇る濃厚な甘さで、甘みをひかえたぜんざいとの相性が抜群です。   当日は16名の市民が試食に参加。食材自慢のフルコース料理が食材費のみの3,000円で楽しめるとあって、募集からわずか数分で予約が埋まるほどの人気でした。   調理や盛り付け、サービスなどを学生が担当。いつも使っている実習調理室ですが、給仕が始まると慌ただしさの中に緊張感が漂います。   指導する吉田徹教頭からは、調理の進行具合や持ち場の役割確認などについて、時折厳しい指示が飛びます。   お客さんたちは、料理に満足した様子。帰りには、見送る学生たちに「おいしかった」との声が送られました。次回は、2019年11月に、日本料理のレストラン企画「みならい工房」を開催予定です。新聞などでの告知にご注目ください。

函館発の日本酒「GasVari」、初めて欧州へ輸出!

函館発の日本酒「GasVari」、初めて欧州へ輸出!

  函館の有志が企画販売を行う日本酒「GasVari(ガスバリ)」が2019年6月、欧州へと初めて輸出されました。「GasVari」は、函館エリアで活動する料理人らのプロ集団「クラブガストロノミーバリアドス」が、過去に道南地域で広く作られていた銘柄米「マツマエ」を復刻させ、これを用いて六花酒造(青森県弘前市)に醸造を依頼している特別純米酒です。  このたび、札幌の貿易会社を介して欧州のバイヤーに売り込みを行ったところ、欧州料理との相性、酒造りにまつわるストーリー、商品のデザインなどについて評価され、このたび500ml瓶24本がスペイン・イビサ島に向けて送られました。今後は地中海の観光地にあるレストランで提供される予定です。 材料となる米「マツマエ」は、2011年から函館の料理人が近郊の農家と契約して栽培。米粒が大きく、レストランでの調理用などに利用していましたが、酒造用にも適していることがわかり、2013年から日本酒「GasVari」に利用しています。現在は720ml瓶換算で年間約2,000本を生産しています。   飲酒人口の減少や嗜好の変化などで、日本酒全体の需要は減っているなかで、純米酒、吟醸酒などの特定名称酒(高級酒)はこれまでにないブームで、海外への輸出も伸びてます。こうしたなか、酒造会社を持たない函館・道南地域でも、近年は酒造用米の生産が行われ、新しい「函館の酒」も誕生しています。函館産の酒造好適米「吟風(ぎんぷう)」を用いた純米吟醸「函館奉行」(兵庫県・小西酒造)や、純米大吟醸「巴桜」(青森県・六花酒造)などが販売中で、土産物としても注目の商品です。   日本酒「GasVari」は函館限定販売品で、函館市内および近郊のコープさっぽろで取扱中です。720ml瓶1,620円(税込)。問合せは「ワインショップ丸又和田商店」0138-76-4422まで。